2022.10.12.水 畳屋さんに出かけた。

久しぶりに畳屋さんに出かけました。

最近の畳事情も知りたくてお邪魔したのです。

訪問先の畳やさんは岩堀畳さん。

 

育暮家の現場に畳を納めてくれています。

今日は特別に手縫いの様子を見せてもらいました。

畳の手織り作業工程を見て、本当に畳仕事は重労働だと思いました。

かつて畳床は藁のみだった頃、藁を30㎝の厚みに並べて

それを人の力で6㎝まで圧縮していたそうです。

しかも、厚みを均一に揃えなくてはなりません。

畳屋さんの仕事はこの畳床を作ることから始まります。

 

大きな針と糸で絞めていくので、とても力が必要だったそうです。

当然、今の機械でつくる床は固く締めることが出来ますが

人の力に頼る藁床は必然的に柔らかく仕上がります。

そこには藁のすき間もできるし、空気も蓄えられ

断熱効果も高くなりますね。

 

今では床を作るのは分業化され、町の畳屋さんは床を仕入れ

そこに畳表を縫い付けていくことになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

道具も並べてもらいました。

そば包丁みたいな刃物がありますね。

何に使うのかなぁと気になっていたら

さくさくさく。

気持ちのいい音が聞こえてきました。

縫い終えたい草の端をさくさくと音をたてて

藁床に沿って包丁が動いています。

包丁はものすごく薄く研いである鋼で、気持ち良くい草が切断されていきます。

1日に6畳縫い上げたら1人前と言われていたそうですが、

そこまで修行を積むにも年月と体力、そして気力も充実していなければなりません。

 

フローリングの部屋が多くなり畳の間が減っています。

人寄せの為に必要だった2間続きの通し間も

ライフスタイルの変化で姿を消していきます。

畳に触れたことのない子供たちが増えていきます。

 

かつて、自然な素材だけでつくられていた住まい。

畳はその中でも木材と一緒で、人に直接触れることの多い素材です。

手間や素材の価値から、かつては高級床材の畳、

ここからどんな方向に進んで行くのでしょうか。

私たちにも未来に向けた畳活用ビジョンを描く責任があると感じています。

畳が形になるまでの作業を一通り見せてもらいました。

畳について書きたい事はいっぱいありますが、今日はここまでにします。

近くの川は先月23日の大雨からずっと茶色い水のまま。

山はまだ収まってないのかなぁ。

今日は曇り空、秋は深まっていきます。

 

 

 

2022/10/12/水 11:24 pm Category:育暮家コーチ杉のfoot-path