ものづくりは感謝と喜びの連鎖

私達の家づくりのつくり手は
設計者・現場技術者・職人さんそして住まい手さん
この4者の価値観共有と連携で成り立ちます。
それぞれの仕事を尊重し信頼し、また
間違った仕事にはお互いに注意を喚起します。

参加型の育暮家の家づくりには
住まい手さんもあるときは手を出していただき
ものづくりをともに喜びあいたいと思います。

ものづくりは感謝と喜びの連鎖
育暮家のつくり手 連携・価値観共有

育暮家ワークスパートナー HANDS

育暮家の家づくりを支えてくれている職人さんたちの手と手。
道具を使い、時には素手で手仕事を支えるたくましい手と手。
道具は使いこまれ、手入れされて自分の道具となり職人の手技を支えます。

職人さんの手
※実際は素手で作業することは少ないのですが、この画像では職人さんの手肌の感じをお伝えしたくてわざと手袋を外してもらって撮影しました。以外とやさしい手が多いですね。

見て覚える

こんな職人さんの「手と道具と技」は次に渡す相手を失い続けています。
全てを職人さんの手仕事にゆだねる仕事もあります。
でも多くの仕事の全てを手仕事に頼ることは現実的ではありません。
先人の手仕事を振り返ることを忘れずに今のあり方を考える。
これが私達の基本姿勢です。
「見て覚える」これは職人さんが育つ鉄則です。

見て覚える・・・近くで職人さんの手仕事に触れる機会が多いことが手仕事に関心が深まることにつながります。
実際に、子どもの頃、自宅の新築やリフォームの現場に触れた経験から建築の道に進んだと言う人も多いです。。
子供たちにも大人にも見て覚える場所が必要ですね。
身の回りの手仕事が消えていく時代、職人さんの大切な「手仕事」を守り育てていくためには、
「見て覚える」環境をいっぱい増やしていけたらいいと思います。

育暮家ワークスパートナーとは

捨てません生かしますフェア

毎年秋、職人さんたちが中心となり現場で発生した端材を利用して
いろんなものに加工して販売するフェアを行っています。
「捨てない・活かす」この価値観を深めようとスタートしたイベントです。
大事に守っていきたいと思います。

長年続けている捨てません生かしますフェアは、職人さん達みんなが運営しています
長年続けている捨てません生かしますフェアは、職人さん達みんなが運営しています 捨てません活かしますフェアは
地球温暖化防止センターの主催する
エコチャレンジカップで受賞しました。
育暮家むぱす

手仕事の部屋

育暮家むぱすには手仕事の部屋(ワークショップルーム)があります。住まいのメンテナンスの手ほどき、職人塾、そして住まい手みなさんのものづくりの場としてもご利用いただければと思います。

リンク_育暮家むぱす
画像

職人さんポエム

職人さんの応援詩です。
子供たちの目線を意識しながら職人さんのお父さんたちを伝えられたらいいなあと思い、
つくり始めました。少しずつ数を増やしています。
30以上になったら小さな冊子にまとめられたらいいなあ。

職人さんが大好きになったよ

ぼくたちの家ができようとしている。
『建てているところを見に行こうか。
 職人さんの仕事っておもしろいぞ』父さんが言う。
ちょっと、ドキドキする。
職人さんて、どんな人たちなんだろう?

父さんが『こんにちは!』と声をかけたら
お世話になります!』と明るい声が返ってきた。
トントン・トントン、ビィーン・ビィーン。
にぎやかな音がしている。
高いところに登っている人、狭い場所で腰を曲げている人、
手にいろんな道具を持って、働いている。
『みんな職人さんなんだよ』父さんが教えてくれた。

図面を見ながら考えている人がいる。
リズミカルに、休みなく手を動かしている人がいる。
コンコン・コンコン、シャカッ・シャカッ。
音といっしょに汗が光っている。
大きな背中に太い腕、固そうな手、強く踏んばった足……。
みんなとてもシンケン。そして一所懸命だ。
『職人さんってカッコいいね』ぼくは父さんに言った。

『カナヅチの頭には、平らな面と丸い面があるんだよ』
大工さんが働いている姿を、近くで見ていたら、
手を休めて、持っていたカナヅチをぼくに見せてくれた。
次に、もう一人の職人さんがぼくたちを呼んだ。
『ここはもうすぐ見えなくなるから、見とくといいよ』
職人さんの説明を聞きながら、父さんはしきりに
うなづいている。ぼくも一緒になってうなづいていた。

『この家はきっといい家になるよ』
帰りの車の中で、父さんがうれしそうにつぶやいた。
『だって、どの職人さんもうれしそうに働いているからね』
そう。いい家をつくってくれるのは職人さんなんだね。
ぼくは職人さんが大好きになってしまった。

喜びは、人との出会いの中にあります。
新しい住まい手さんに出会い、新しい家づくりに参加できる。
それは、自分の新しい可能性に出会えるチャンスでもあり、
住まい手さんの喜ぶ顔にもう一度出会えるチャンスでもあります。
『今ここで仕事ができること、それがうれしい』…………

お父さんの汗

お父さんがお風呂に入っている。
大きな声で、いつまでも歌っている。
『今日は仕事がとってもうまくいったのね、
 もう15分も歌っているわ』
食卓と台所を何度も行き来しながら、
お母さんの声もはずんでいる。

お風呂上がり。お父さんはビールをやっている。
テレビの人よりおいしそうに飲んでいる。
『仕事がうまくいった日は、なぜ歌が長くなるの?』
『それはな、いい汗をいっぱいかいたからだよ。
 たくさんの汗は、風呂もたくさんだ』
きっとお風呂が気持いいってこと、言いたいんだね。

『今日は赤い土を使って、タタキをこさえたんだ。
 作り終わって、一人でこうジッとながめていると
 みんなが寄って来て、いい出来だ、上出来だって
 そりゃ口々でね。うれしいよねぇ』
ふだんは何も言わない無口なお父さんだけど、
こんなにおしゃべりなお父さんもいい。大好きだな。

『いいか。ほんとうの事はみんな汗の中にある。
 出来がいい、悪いも。誇りとか信用というのも、
 どんな汗を流したかで決まるんだ。
 だから、汗を流さないで答を知ろうなんて、するな。
 左官の自分が自信をもって言えるのはこうゆうことだ』

『ほらほら、お父さん。カゼをひくわよ』
ゴロンとなった大きな肩に、お母さんが毛布をかけている。
『いいか、汗をかけばいいと言ったって、
 運動ばかり成績が良くてもな。ちゃんと算数もな……』
目を閉じたまま、何かまだ言おうとしている。

そう言えば、左官は神様仏様の頭より上で仕事するから
失礼にならないよう《官位》をもらってるんだって、
いつか話してくれたっけ。お父さんって、やっぱりすごく偉いぞ。

働いて汗を流すこと、気持を込めて仕上げること。
その一所懸命の結果を心から喜んでいただけることがうれしい。
育暮家の現場では、
『家づくりを通して、みんなが幸福になれたらいいなぁ』が
合言葉になっています。