2024.02.09.金 やっぱり、静岡は太陽を活かそう。

地元のミカンがうれしいです。

2月半ば、ミカンもそろそろおしまいの季節です。

暮に収穫して保存しておくと見た目はやや疲れた感じになりますが

中身の糖度はぐんと増して甘いミカンとなります。

このミカンは嫁さんのお友達からのおすそわけのほんの一部です。

実は、3箱いただきましたが、家族や周りの方におすそ分けしてすぐなくなります。

品種は青島ミカン、地元のミカンがうれしいです。

 

さて、もう2週間すれば3月。

早いなーと感じます。

先日の2月5,6日は東京では大雪、慣れない雪には苦戦します。

太平洋側の冬はあの日が峠。来週は4月並みの暖かさになる予報です。

思い起こせば昨年、夏日が秋深くまで続き季節の変わり目を感じたのは

秋を飛び越した師走の冬だった気がしています。

庭のもみじは夏の暑さの影響を受けやすく

昨年は紅葉前に枯れる葉が増えました。

 

静岡は冬の日射量が多い温暖な地域です。それでも以前は極寒と言える日もありました。

ここしばらくは家の周りで氷が張る光景に出会うことがめっきり減りました。

以前は寒い日になると給湯ボイラーの周りの配管が凍って爆ぜ、その修理依頼が結構ありました。

給湯器の性能がよくなったこともありますが、外部設備の凍結事故はほとんど聞かなくなりました。

やっぱり、気候変動、温暖化が進んでいると思います。

 

屋根で太陽で空気を温めて床下に送って床を温める

家の中も外と同様に、寒さが以前より和らいでいる気がします。

我が家は築55年になります。約20年前にリフォームしてOMソーラーを取り入れました。

屋根の上で太陽で空気を温めて床下に送り、その熱で床を温めます。

その床からの輻射熱で室内が暖まる仕組みです。

私たち夫婦は年をとり、近年言われる健康と温度の関係にはちょっと気を使います。

部屋の温度が10℃を下回ると良くないなと思います。

 

屋根で温められる空気は、天気が良ければ50℃を超えます。

当たり前ですが温められた空気は軽くなり自然には下に向かいません。

小屋裏に設置したファンを回し、丸や四角のダクト(パイプ)を通して床下に送ります。

その空気は床を温めながら広がります。

床板や床下のコンクリートに熱を伝えた後、残った空気の温度は下がり

18℃~25℃ぐらいになって、部屋の壁際や窓に接する床に開けた吹き出し口から

ゆっくりと室内に流れ込みます。

薄いティッシュペーパーがやんわり浮きあがるくらいの風量で

気流感はありません。

「働いてくれている」というべきですね。

10年ぐらい前、天井裏のファンが壊れて取り替えました。

天井裏にあるファンなのでエアコンのような存在感はありません。

今では全く気付かない音になりましたが、静かにしていれば

空気を送り込むファンの動く音が聞こえてきます。

そうして1年中勝手に動いています。

いやいや、勝手にではなく私たちの部屋を少しでも暖かくしようと一生けんめいに

「働いてくれている」というべきですね。感謝を込めて。

 

太陽で床が暖まると(冷たくない程度です)素足や靴下で過ごせます。

床板は杉板です。杉やヒノキの板は空気をたくさん含むので暖かです。

広葉樹のフローリングは固いし、質感もバリエーションをもって選べ人気です。

でも、地元には戦後復興に合わせて植林した杉桧が伐採期を迎えたままになっています。

森林の営みは光合成によってCO2を吸収し固定し、大事な酸素を作ってくれます。

ここに多くの目が向くようになり大手企業のCMも目立ちます。

ただ、地域の森(林)は地域の人が近くの森(林)の木を使いながら上手に持続させて

いくことが必要ですので、出来れば人工林として育った杉、ヒノキを使ってほしいのです。

 

木と言えば我が家のリフォームで、すこし贅沢したのが木製サッシです。

アルミサッシよりずっと断熱性能が優れているからです。

リフォームしたLDKの窓に使いました。

 

当時は省エネ基準が改正された時期ではありましたが、まだその対応が十分ではありませんでした。

当時採用した木の窓は今でも十分な断熱性能ですが、壁や天井の断熱は脆弱と言えます。

最近ではさらに上の断熱性能を求める時代に入りました。

 

せっかく太陽で温めた空気が外に漏れる脆弱な壁と天井の断熱ですが、そこを窓が頑張って

少しでも熱が逃げるのを防ごうとしてくれています。

家の断熱性能を定量的に表すものにQ値やUH値という数値があります。

床面積や壁、天井、床の総面積で家を出入りする熱の量を割った数値です。

数値が小さいほど断熱性能がいいとなります。

特に寒い地域ほど断熱性能を上げなければ寒い家になるので、小さい数値が求められます。

 

新しい省エネ改正法では具体的数値で省エネ性能を義務付けるようになります。

でも、その基準が低いのでそれより上を求めることが一般化しています。

それは、家庭の消費エネルギーの削減からの温暖化対策や高齢化社会における健康の維持のための

室温確保のために必要になっているからです。

静岡で望まれるUH値は0.4から0.6W/m2・Kあたりです。

ちなみに我が家はUH値0.8~1.0W/m2・Kぐらいでかろうじて義務基準を満たしているレベルです。

 

我が家の太陽で床暖房するシステムには

こんなレトロな制御盤がついていて、集熱温度、室温、外気温を表示しています。

昨日、2月8日午後2時半頃はこんな感じでした。

これが集熱温度、屋根で温まっているこの時間の温度です。

これが日の当たらない茶の間の室内温度です。

あらためてすごいなと思います。

朝方、この温度(室温)は15℃ぐらいまで下がりますが、

このシステムがなかったら10℃以下になってしまうでしょう。

このように室内温度がキープされ下がりにくい要因は

昼間屋根から送られてきた暖かな空気の熱は床下に敷かれた

厚さ100㎜のコンクリート層に蓄熱され室温が下がれば放熱しているからですね。

あらためてすごいなと思います。

 

こんな簡単なシミレーションアプリがあります。

それによると断熱等級5あたり(UH値0.6あたり)の家でも暖房を切れば

5時間ぐらいで5~6℃室温が下がるようです。

やはり、これからも蓄熱の効果は絶大でなくとも小さくないと言えます。

外気温度は13℃。これから太陽が沈み外気温度は下がって行きます。

部屋の温度より集熱温度が下がればファンが止まり、ダクトは閉じられます。

 

北側にあるキッチンはこんな感じです。17℃です。

我が家には和室がありそこは太陽の床暖房対象外です。

この扉の向こうです。

この扉で温度区画して太陽で温めた空気が流れて行くのを止めています。

屋根の集熱面積から和室を温める余裕はありませんし、

普段使わない場所だからOKですね。

 

そこの同じ時間の温度は下の温度計で13℃、朝8時ごろは10℃でした。

太陽で床暖房している空間とは4~5℃差、朝方では7,8℃の差になります。

断熱、気密をあげて太陽で床暖房する。スマートで魅力的ですね。

屋根で温めた空気を床下に送るためにファンは電気で動かします。。

小さなファンですが電気代は発生します。

冬場は6,7時間動いているので1日10円から15円、1ヶ月で300円から450円ぐらいでしょうか。

しばらくこの自然な力(エネルギー)を利用したソーラーの消費エネルギーやランニングコストは

気にもしていませんでしたが、あらためてランニングコストは費用対効果がいいと思います。

 

最近、エアコンの消費エネルギーやランニングコストを計算することが増えました。

エアコンのランニングコストは10畳間用で、断熱がいい家で

6.7時間動かせば約90~100円、1ヶ月で約2700円から3000円ぐらいではないでしょうか。

エアコンのように即効性はないけれど

太陽が出ていれば自然と暖房してくれる。やっぱり、常に新鮮な外の空気を送ってきてくれ、

換気もしてくれるし太陽で床暖房、魅力的ですね。

来年、断熱性能の向上が義務化されれば、断熱性能の高い家が増えていきます。

そうなれば、もっとこの太陽で床暖房する仕組みが威力を発揮します。

 

改めて素朴な太陽と床暖房に向き合ってみたい。

そんなこんなで20年余り太陽の恵みで何となく暖かな(そんなに寒くない)家に暮らしてきましたが、

ここで気持ちをリセットし、改めて太陽と床暖房に向き合ってみたい

向き合うべきだと思っています。

 

シンプルで維持管理も操作も簡単で、持続性がある設備部材で

価格も無理なく費用対効果に納得でき、

温暖化軽減や健康維持に寄与し

未来の子供たちにもOKサインをもらえるものづくり。

向き合ってみたくなりました。

 

気候変動で地球の持続性に赤信号が点灯した今こそ、

この複雑化しない自然で素朴なシステムが見直されるべきで、

社会課題にも応えることが出来るのではないだろうか。

 

 

 

 

 

 

2024/02/09/金 09:20 pm Category:育暮家コーチ杉のfoot-path