2024.01.01.月 新しい年のはじまりに。

明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い申し上げます。

 

大晦日の翌日、穏やかなな朝の陽ざしに新たな1年のスタートを迎えています。

いつもと変わらない一夜ですが1年の区切りとして

気持ちをリセット出来る特別な一夜にもなります。

 

昨年の様々な出会いや発見に感謝し、そして新たなことにも挑戦していく

そんな1年にしていきます。

きっとそこには笑顔溢れるシーンが待っていてくれると思います。

 

私恒例になっている初日の出拝みと初詣、たくさんの方の姿がありました。

「日本らしいなあ」

今年のありたい自分や家族を描きながら無心に祈り、夢見る。

いつまでも続いていくといいなと感じた元旦風景でした。

 

晴天のシアトルに

昨年10月末,アメリカへの視察ツアーに参加するチャンスをいただきました。

シアトルでのリモデルの研修を目的とするツアーです。

少し時間をいただいて、感じたことを書いてみます。

 

行こうと思ったのは、このタイミングだからと

課題としている「住まいの資産価値向上」について情報収集と学ぶことができそうだからでした。

10月20日~10月25日の6日間。

シアトルのこの時期は雨季、太陽が顔を出すことはほとんどないようです。

気温は日本の11月下旬並み、真冬の最低気温は静岡と変わらないみたいです。

また、雪が降ることも殆ど無く私たちの地域に似ていて親近感が湧きます。

 

シアトル近郊、タコマ空港に到着すると

「Welcome to sunny Seattle.」(晴れのシアトルにようこそ)

なるほど、晴れの日は貴重なんだ。これが視察スタート日の第一印象です。

パッシブデザインをやってきたからか地域の気候はどうしても気になってしまいます。

1ヶ月に一度晴れることがあるかどうかのこの日は、現地の皆さんも元気いっぱい。

地域材活用

シアトルは木材資源が豊かな地域です。

アメリカ開拓時代、ワシントン州の主な産業の一つが林業だったとのことで

その林業がシアトルの産業としても引き継がれているようです。

製材、合板、紙、パルプの生産に力が入っています。

バンクーバーからシアトルあたりまでは木材資源が豊富と聞いていましたが

都市の周辺部を流れる川には数多くの貯木場が見られました。

※写真はバンクーバー近隣のものです。

 

これは移動中に車窓から建築現場を撮影したものです。

RCと木造の混構造の施設建築です。

7階建てまでを木造で完成させるようです。

日本でも中層建築の木造化が進められていますが、

こちらは発想もデザインもユニークですね。

 

豊富な地域資源の木材を持続可能に利活用することは脱CO2排出の観点から大切にされています。

近くの森の木を利用して建築しているようです。

 

住宅はそのほとんどが2×4(枠組壁工法)で建築されます。

現場もきれいに整理整頓されてました。

気になりますね。グリーンの椅子と1階屋根上のパネル。

 

シアトルの街中ではいろいろなところに木材が使われていました。

どうしても目がいってしまうのは木製品です。

 

シアトルは、マイクロソフトやアマゾン、スターバックス、コストコやボーイングなどの

大企業の生まれた土地。

IT関連や大手の企業で働く方が多い街の為、物価は高めだそう。

アメリカの中でもニューヨーク、ロサンゼルス、ラスベガス等に続く物価高の地域とのことでした。

左手の球体の建築物はアマゾン本社の植物園型のワークスペースのようです。

 

街路樹は紅葉する落葉樹

街の中には緑も多く、大きな葉の楓の仲間が色づき散り始めている木もありました。

やっぱり街路樹は紅葉する落葉樹が好まれるのかな。

青空だったらもっときれいな街並み写真が撮れたかもです。

それでも何となく日本の四季を感じる気分で親しみを感じます。

 

郊外のリモデル現場視察に出かけると美しい家並みに出会いました。

 

緑でつながるあいまいな隣家との境界。優しいつながりを感じました。

手前の紫陽花(この季節?)とお隣の真っ赤な紅葉不思議です。

一度に二つの季節を味わうことができる贅沢な並びとも言えます。

 

ロケーションと地域づくり

いいな~と思うところも沢山ありましたがそこは銃社会、事前の注意案内がありました。

いつ発砲されてもおかしくないから、カメラ、スマホを近隣の家にむけてはいけないと。

外観写真は一部許可をもらいましたが、素敵な家は記憶に残せるよう

頭の中のデータ保存スペースをクリアしながら見て回りました。

リモデルの内観写真は住まわれる方の希望もあって写真撮影は控えなければならないこと多々。

そんな中、内観写真を撮らせていただいたリモデルされた住まいです。

湖岸地域の住宅街にある住まい。窓からつながる隣家を含めた借景も気持ちがいいです。

ファブリックやその他インテイリアはこれから。

 

リモデルを繰り返しながら資産価値を維持し、高めていくアメリカ。

湖岸というロケーションは特に資産価値が高いとして評価が上がります。

資産価値について、ロケーションは重要な要素として評価とされる流れは

今後日本でも加速していくと思います。

住まいは地域の財産でもある。かつて日本も負けていませんでした。

日本の原風景は物語っていますよね。

 

資産価値という発想へ

まだまだ築年数で建物が評価される日本、

一方、ロケーションの良さが資産価値、不動産価値を高めることを共有するアメリカ。

住まい手さんたちが協力しあって地域の景観作りに努めているようです。

 

シアトル近郊では持ち家率が95%。他5%がマンションや賃貸とのことです。

住み替え周期は5年~10年が一般的のようです。

早いですね。

人口増で経済発展が進むアメリカでは不動産価値も向上します。

住宅を投資資源と考えるのが当たり前になるのも分かります。

また、資産価値を高める住宅投資は高齢期を支える資金として活かされます。

住替益は老後の施設を利用する財源になるのですね。

 

国の来年度予算も社会保障費に充てる予算が増えています。

老後不安が増しています。

NISAなどを利用する個人投資を政府も進めています。

私たちはこれから住まいも大事な資産価値を生むものであることを

もっと意識し、新築やリフォームの仕事に向かう必要があると感じます。

そうはいっても、日本では一足飛びには難しく、時間をかけながら

変わっていくと思います。

 

今回改めてこの考えが成り立つためには社会の仕組みが必要だと理解できました。

行政、金融、不動産、民意がそろうことで成り立つものであることを。

 

まだまだ道半ばですが、育暮家が建てる住まいの資産価値を少し

すまい手さんの声と共に動画にまとめています。是非、こちらをご覧いただけたら幸いです。

 

 

少子高齢化、人口減の社会問題より生産人口減、介護や建築、

すべての働く場での人不足が顕著になる日本。

また、気候変動、エネルギー問題から考える未来。

既存住宅の耐震や省エネ、断熱性能を上げて行くことも育暮家の重要な仕事です。

 

「冬暖かく、夏涼しく小さなエネルギーで健康に暮らせる住まいと暮らしづくり」

2024年も強く進めていきます。

まだまだ、シアトルでの発見、お話したいことがあります。

また別の機会にブログやお会いした時にお話しさせてください。

健康で笑顔が溢れる一年を目標に今年も一年、

みなさまと一緒に歩んでいきます。

よろしくお願い致します。

令和5年元旦 寺坂 麿

 

 

 

 

2024/01/01/月 08:00 am Category:新社長の It's fineday