2017.11.02.木 大沢の築80年の秋そして 新しく誕生する焼津の住まい
先日、2つの台風の被害はどうだったのかと藤枝大沢にある育暮家の移築古民家の点検に出かけました。
藤枝葉梨、大沢地区の沢沿いには大きな被害は見受けられず、建て物にも被害がありませんでした。
このところの長雨の中、青野さんっちはいつもと変わらない秋色をゆっくりと増してきていました。
育暮家は創業33年目を迎えています。建てさせていただいた家も築20年を超える家が増えてきました。
そして、メンテナンスのお声がかかることも増えてきました。
最近目立つ話題はモーターショーにも見るように「自動化」です。住まいの自動化も進んでいきます。
でも、ここ青野さんちには自動化はありません。
青野さんちに立つと「家の命」に思いがいきます。
先日築30年の家をリフォームさせていただきました。
「この家はどれくらい持ちますか」と質問されました。
「しっかりメンテナンスをしていけば長持ちしますよ。」
手をかけることで長持ちする木の家。
昭和初期に建てられた青野さんさんち、その家をゆずっていただき移築再生を手掛けた育暮家。
気持ちを込めて手をかけることで家はこたえてくれるんだ、と実感します。
青野さんちには新しい設備はほとんどありません。
でも、近年の家には様々な最新設備が入ってきています。
メンテナンスの主役も設備主体と変わっていきます。
屋根、外壁、床、、この家内外のメンテナンス対象は変わりませんが、そこに割り込んできたのが
様々な設備メンテナンス。快適な暮らしを支える設備も時にして、故障、修理、交換で悩みをぶつけてきます。
メンテナンスコストもバカになりません。更に故障となれば生活の不便さに直結し、メンテナンススピードも求められます。
そして住まい手さんも作り手も設備メンテナンスに振り回されることも多くなりました。
設備はシンプルに・・設備選びには長い目線が大切なこと。
これがベストだと思う日々です。
導入時にしっかり認識しなければならないと思うのです。
さて、今日は焼津の家の建前が進んでいます。
大井川の森の木の家です。ふるさとの木で建てる地産、地建の家づくりです。
広間空間にキッチンを中心に暮らすライフスタイルです。
各スペースにはメリハリを効かせ20年後の暮らしをイメージしてプランされました。
必要以上の設備は望まれていません。ここにもメリハリをいかされました。
この家の80年後っていつ。・・・・・それは2098年、22世紀に入る直前ですね。
すごい。
この時、この家にはどんな暮らしがどのように「育家」されているのでしょうか。
とてもさわやかな秋空のもと、大沢の古民家と2つの木の家を前にして深呼吸です。
焼津の家の建前をそっと見上げているお隣の小さな「これからよろしくお願いします」
2017/11/02/木 01:23 pm Category:設計・現場レポート