2017.08.13.日 つながれるOMソーラー
昨年の夏のことですが、OMソーラーよりお便りが届きT型ハンドリングボックスのサポートが終了になることを知りました。
OMソーラーの進化に伴い部品も新しくなっています。当然、時間経過に伴い部品供給も限界を迎える時期があるのですが
初期、中期に採用されていたOMを制御する部分についてもその時期が来たというわけです。
これまで部品交換で修理対応が継続されてきましたが、今後、故障が発生した場合、新タイプのOMソーラーに交換となるのです。
家電製品と同様、機械部分には耐用年数、規格変更があり、時がくればで新しいタイプに交換しさらに長く使用されていきます。
ただ、新タイプに交換となれば費用負担もそれなりに発生し、悩みでもあります。
そんなこともあり先行して新タイプに交換される場合は得点をつけて交換をサポートするキャンペーンがありました。
このようなご案内をさせていただいたところ取替工事を希望されたOM住まい手さんが15件あり、この度すべての工事が完了しました。
育暮家はいほーむすのOM歴は25年ほどになりますが今回、交換工事を担当したの私、育暮家の寺坂です。
OMの技術は学んでいますが15年20年前のOMについては先輩の話をよく聞いてかからなくてはなりません。
omメンテナンスベテランの電気工事店の高根さん、水道工事店太田さんとタッグをくんで取りかかりました。
OMソーラーと育暮家の原点回帰、工事の手順、課題、そしてOMソーラーのOBさんからの様々な声。
一連の交換作業が終わり、振り返れば作業の現場には実に多くの学びがあるのだと実感しています。担当になって本当に良かったと思っています。
これかも引き続き末永くOMを見守っていくこと、そして新しいOMを構築していくこととなるのですが、現場の学びを生かしていけると思います。
取り替えに際しては屋根裏に入ってOMの心臓部を交換することになるのが通常で住まい手さんに立ち会っていただくことも増えます,
当然そこは住まい手さんの生の声を聞くとても大事な機会になります。
うれしいことに学びとともにOMの住まい手さんから励ましや、感謝がこもった暖かな心をいっぱい受けとることが出来ました。
「冬、本当にあたたかくていいよね」
「メンテナンス費用はかかるけど、OMソーラーは良いからね」
「OMソーラーのおかげで気持ちよくすごせているよ」
「これからも頼りにしているよ」
太陽の熱を集熱して空気を暖め、床下に送って床暖房するOMソーラー。
30年の時を得て進化する部分はあっても、OMの基本する『太陽で床暖房する』のここは何も変わりません。
太陽の恵みを最大限に利用して暮らしと人を豊かにしてくれる。
だから私たちはOMを大切につないでいきます。
ハンドリングボックスの取り替え工事は狭い小屋裏での作業になります。暑い時期は大変です。限られた時間での作業で職人さん達は汗を流しながらも気持ち良く工事を進めてくれました。工事完了時には水道屋さん、電気屋さんと私の三人でOMソーラ―の動きを確認します。新しいシステムに代わった部分もあり若干の不安を感じる中、従前と同様に元気に動き出すと本当にほっとするのでした。
作業は順調に進む場合ばかりではありませんでした。初めて経験する問題にぶつかることもありました。
うまく貯湯槽にお湯が採れない。温度表示にエラーが出っぱなし。OMの架台の高さ調整不具合。OMソーラーが原因しない部品のことやその連動性。急きょ、OMソーラーのメンテナンスセンターに応援依頼することもありました。
新しいOMと旧OMのリレーの違いに伴い周辺機器への影響も初体験であったり、中には問題解決に数日要することもありました。
そんな時、私たちの自信のない表情は住まい手さんを不安にさせてしまいます。
でも、問題解決に焦る中、OBさんのやさしい笑顔や声に何度も救われ立場が逆転することもありました。OMソーラーは家だけでなく心もあたたくするものでした。感謝です。
先月、omソーラー全国経営者会議会議が開催されOM30周年記念の祝賀会がありました。OM飯田社長からは「全国には27,000戸のOMソーラーの住まいがあり、その利用者が安心して快適にOMソーラーを継続していけるようメーカーとして力を発揮していく」と力を込たメッセージがありました。
メンテナンスが”なし”と言う設備はありません。そして機械には寿命もあります。OMも同じです。
でも、OMを単なる暖房設備としたなら失うものがたくさん出てしまいます。私たちも設置業者と言われてしまいます。
OMソーラーの住まいづくりを始めた育暮家の社長杉村はOMには「設備」と言う言葉は相応しくないよねと言っています。
私もそう思います。OM住まい手さんとのやり取りで確信しました。
私たちは育暮家はいほーむすの仕事は「つなぐお手伝い」だとしています。
様々なことにつなぐ難しさが出ていて住まいも同じ課題がある、と考えているからです。
OMソーラーがある住まいだけでなくどの家のメンテナンスも欠かせません。ともに家と暮らしを育て、そしてその家がつながっていく。まさに「育暮家」と社名に込めたことに実践が伴うことが求められているのだと思います。
OMソーラーは誕生して30年が経過します。当時は地球環境について関心が高まっていた時代でした。
私はまだ小学生でした。
そしていま、地球平均気温が過去最高を更新する中、改めて家庭から地球環境問題に取り組まなければならないと感じます。
そこではOMソーラーだけが主役ではありません。太陽はだれにも平等にそのエネルギーを供給しています。その太陽エネルギーを住まいにうまく取り込むことが育暮家の仕事です。
今回のこの一連のOMメンテナンスで学んだことは育暮家のOM再構築に生かすべきことが多くあり、少しでも形にしていきたいと思います。
最後に改めて住まい手さん、工事スタッフにありがとうございました。
寺坂
2017/08/13/日 04:00 pm Category:設計・現場レポート