2024.05.30.木 我が家の古民家を新築の中に・・一つの選択肢
もうすぐ昭和100年を迎えようとしています。
あらためて昭和の時代を振り返るかたも多くみえるような気がします。
私たちは、家づくりを仕事にしていますので、これから住まいからも昭和を振り返ることも多くなると思います。
昭和25年、戦争が終わって5年たったころ建築基準法が出来ました。
それを機会に日本の住宅のつくり様が変化していきました。
それまで建てられていた伝統的工法から、材来工法と呼ばれる現在の家づくりへと
つくり方の主役は移っていきました。
「伝統工法」と「在来工法」の違い | 京町家居住支援者会議 (machiya-shien.net)
世界にまれな多様なつくりの住宅建築が存在する日本
戦後、人口が増えていく中で住宅不足も加速し、住宅建築ラッシュが始まりました。
すると、プレハブづくりを進めるハウスメーカーも誕生しました。
そうして世界にまれな多様なつくりの住宅建築が存在する日本になって行きました。
そんな中、日本古来の伝統的工法で建てられた家に対し、様々な角度から再評価され始めました。
暮らし文化や歴史、素材や工法技術、安全性や快適性、そして地域性や愛着、更に持続性などなど。
それを受けて、古民家再生リフォームもブームになりました。
そして今、それも落ち着きをみせ、100年を超える現役古民家の在り方に新たな目標が必要になっていると思います。
長い年月を支えてくれた住まい、残しつなぐ責任を感じている方
私たちは地元にまだ多く残る古民家とそこで暮らす方々と向きあうことが多くなっています。
向き合うのは古民家の魅力と課題です。
伝統工法は一定のルールで作られていますが、暮らされている方の環境は様々です。
長い年月を支えてくれた住まい、残しつなぐ責任を感じている方もいらっしゃいます。
再び同じように建てようとしても、技術も素材も身近なものではなくなっています。
このような状況の中、私たちへの相談が増え、その相談にしっかり応えていく役割も大きくなっています。
古民家再生リフォームの実績を積んできた中で、3年前、施工させていただいた事例を思い起こしました。
我が家の古民家を新築の中に・・
数年前、つないできた古民家をリフォームするか、または解体して建て替えるかのご相談がありました。
ライフスタイルやライフステージの変化を見つめながら、様々な可能性を模索しました。
そして、出した答えが「我が家の古民家を新築の中に活かす」でした。
完成し、住まわれている方の感想をお聞きする中で、建築過程と完成時の写真を動画にしました。
私たちも、振り返ってこの動画を見ています。
住まい手さんより先に自分たちが諦めていることはないか、の自己確認にもなっています。
この動画をご覧いただき是非可能性についての幅を広げていただくことが出来たらと願います。
どんな時でもあきらめないで可能性を求めて努力を重ねる。
物価高騰の中で予算の壁も大きくなっています。コストの課題は小さくありません。
それぞれの暮らしに合わせた必要にして十分な住まいづくりへと
限られた予算を如何に有効に活かすか。また、如何に資金を集めるか。
そしてどうつくるか。
昭和100年を前にして、日本の古民家の魅力や可能性を伝え、
みんなで未来を描き具体的にしていきたいと思います。
2024/05/30/木 04:44 am Category:設計・現場レポート