まだ暑かった頃、建前がありました。あの日の夕日に「ああ、この地に私達の暮らしの場が出来ていくんだ。」とちょっと感傷的になってしまいました。

家を持とう。そう決心し少しずつ家のことを考えていきました。家づくりにはちゃんとした性能(耐震･省エネ･バリアフリー）はベースとして必要です。でも、それだけにとらわれると大切なことを忘れそう。

そして、私らしい暮らしと、私らしい居場所、家族の居場所を求めていたら小さな家にたどりつきました。身の丈に・・それもありました。でも本当に必要なものをと考えながら進んだ結果が小さな家。

家事も私らしくこなしたい。だから・・・「私が使いやすい」  を家づくりの基本に置きました。

小さな家は自然に外と中がつながります。だから四季の移ろいを感じる窓の配置は大事にしました。思い出の英国への旅、ウインドウシートに心惹かれ、私の居場所にいかされました。

人生には様々なライフステージがあり、暮らし方に変化が必要なときもあります。

そしたら家は、今をパーフェクトする家づくりではなく、すこし曖昧なところが残っているほうが対応しやすい。

まずはこの20年を考え、そして10年後にその先の20年を考えようと思います。

リビングの大きな”くぼみ”はキッチンから庭への目線を家具でさえぎらないため。

年をとればそのくぼみを平らなリビングｏｒ寝室に。

だからいつまでも完成しない家、そうして小さな家は長く住む人に寄り添ってくれます。