私たちは今、何を考え どのように家を建てたらいいのだろう

未来の子供たちに残す家

人口減少、高度テクノロジー、地球温暖化、多様な価値観。
今、日本の家づくりは大きな変化の中で未来を模索しています。

北から南へと縦に長い日本の国土は、周りを海に囲まれた豊かな自然と
その自然がもたらす豊かな恵みとともにあります。
豊富な降雨量は森を育み、長い年月をかけて豊かな土壌を作り上げました。

豊かな土壌から育つ豊かな森の木は、日本の木の家の文化を築きました。
こうして日本の木の家は、世界に類を見ないない 木造技術とデザインを生み出しました。

やがて日本の家は素材や工法に工業化を進め、
住宅産業としての役割を果たしてきました。
一方、スクラップ&ビルドの愚行に大いなる反省をし、
私たちは自らに「家とは住まいとは」と問いかけるようになりました。

近年、何度となく大きな自然災害に見舞われても何とか復旧し、
またライフスタイルの変化にも対応してきました。

家の寿命は質の向上と共に長くなっていき、
今の世代が建てた家はその先の世代につながれていきます。
しかし家の在り方、つなぎ方は多様化し、人口減により家余りが起きてきました。

では、これからの家づくりはどのように考えていけばいいのだろうか。
私たちは考え方を整理しまとめました。
未来は不確定、でもそこには未来に生きる子供たちがいる。

まずは
「未来の子供たちに感謝される家づくり」
「未来の子供たちに残す家づくり」

を目標にしようと。

これまでやってきたこと、改善すること、新たに取り組むこと
などを具体的にまとめました。

よろしかったらこの先にも目を通していただけたら幸いです。

2020年、私たちは様々な目標を未来に向けて描き始めました。

目標の一つは育暮家の家のあり方です。

目標を住い手さんと共有して形にしていく。
その為にはもっと具体的にしてみせなければ伝わらないし、共感してもらえないし
実践してもらえない。

そこで「未来の子供たちに残す家」とタイトルして少しづつまとめて行きます。
手始めに下の「自分の家を暮らそう」の姉妹版として小冊子を準備しています。

出来上がりましたら是非、読んでいただけると嬉しいです。
共感して頂けたら、私たちと「残す」+「つなぐ」の夢を育てていきましょう。

私たちが向き合う二人のお施主様

家づくりを考える中で私たちは目の前の住まい手さんと共に、その家を繋ぐ様々な人がいることを念頭に入れることが大切だと思うようになりました。
それは、残されたものをつないでいく子供たち。
その為には残していくものに迷いがないようにしたいと思いました。

具体的な取り組み考え方❶

私たちの家づくりの目標へ向けてハードやデザイン面では必然性をベースに置きます。
ソフト面ではそのことがただ、役に立つということだけでなく、意味のあることなのかを考えます。

ハード ソフト
必然性 意味のあるもの
持続性・気候変動 人・コミュティー
パッシブ&エネルギーデザイン 健康
地域性 ともに喜ぶ
自然・森里海 価値観・多様性
手づくり・働きがい 感性
高度テクノロジー 地域文化
経済性 自然

具体的な取り組み考え方❷

私たちの家づくりの目標達成へ向けて
SDGsの目標とも連動させていきます。

小さなエネルギーで豊かに暮らす生活の実現をサポートしていきます。

静岡県の中部の平均的4人家族の家庭の消費エネルギーは約78Gジュールです。
エネルギーの単位はわからなくても地域の平均がわかれば、目標も見えてきます。

育暮家の家づくりではまず、地域の平均以下のエネルギーで暮らすことを目指し、次は1/2そしてゼロに。
最終目標はエネルギー自給住宅を目指します。

私たちは静岡県経営革新計画の承認を受け
『わが家の省エネ手帳 』 と名付けたアプリを開発しました。
このアプリを活用し、また活用していただき
手のひらからの省エネを目指しています。

小さな啓蒙活動を通し小さなエネルギーで豊かに暮らす生活を
メリットと大切さをアピールしています。
そして省エネPDCAを回していきます。

我が家の省エネ手帳はログインなしで誰でも使えます。
こちらからどうぞ。
 ↓

  • iOS版iOS8.0以降に対応

  • Android版

アプリの使い方はこちらをご覧ください

実測を大切にし室温の見える化を図っています。

■実測しているもの
・室温のビフォア&アフター
・気密測定
・建物の固有周期

パッシブデザインとエネルギーデザインの両立。私たちのもっとも大切にしていることです。

「小さなエネルギーで豊かに暮らす」ためには
この2つの要素がうまく重なり合う家づくりを進めています。

パッシブデザイン

新築住宅で全棟BELS取得

■私たちの新築する住まいの省エネ度をBELSを使って
お伝えしていきます。

BELS(ベルス)とは、建築物省エネルギー性能表示制度のことで、新築・既存の建築物において、省エネ性能を第三者評価機関が評価し認定する制度です。

リサイクル・リユースその可能性を求め、具体化しています

どこにでも建てられていた世界に類のない伝統工法の古民家。その古民家の多くが解体され廃棄処分にされています。様々な事情でやむなく解体される古民家も少なくありません。
古民家を構成する架構(梁や柱)は再び調達することが困難な素材が使われているだけに私たちは、古民家再生と古材の活用を積極的に進めています。

昭和30年代に伝統工法による家づくりが姿を消していきました。当時、当たり前に建ててきた大工さんたちは高齢化と共に世代交代し、その技術は特殊階になってしまいました。
経験の少ない大工さんたちは先人の仕事に驚く場面もあります。それはまた、
職人さんたちの気づきとやりがいにつながっています。
再生現場を見た方が、育暮家の家の可能性を感じて頂ければ、貴重な財産と資源を廃棄せずに未来の子供たちに残していけるチャンスが広がると思っています。

15年以上続けている「捨てません活かしますフェア」

私たちには15年以上続けている、職人さんたちによる「捨てません活かします」フェアがあります。
以前、現場の端材をただ廃棄処分にしていたのですが、まだまだ使える材もありそれはもったいないと感じていました。それならと
それを加工して新たな(小さな)価値を生み出そうという職人さんたちの気持ちが集まって始まったのでした。

高齢化社会における健康な体と住まいづくりのサポートを通して
介護と健康リスクの軽減を実現していきます。

省エネと健康な暮らしは一体だと考えその両立を図ります

私たちの手づくり動画で住まいと健康をお伝えします

  • 暖かさと健康の関係

  • 住まいを如何に暖かくするか

  • 住まいと断熱とエコ

  • 育暮家リフォームの強み

静岡には静岡らしい暖かな暮らしがあると確信します。

私たちは静岡中部の気候を活かした住まいの性能(断熱、気密)と設備、そして暮らし方の工夫で安定室温18℃を目指します。

小さなエネルギーで健康に暮らすための育暮家的プロセス

育暮家の小さな家の標準(目安)

静岡の中部の気候風土に合わせて「必要にして十分」を基本にして

(日当たりのいい解放的な26坪ぐらいの「小さな家」の冬を家中を18℃で暮らすことを目標にして)

室内空気の健康度も確認します。

有害化学物質による健康被害をなくすため、家の素材は安全な自然素材を優先し有機溶剤を避けます。
但し自然素材と言っても万能ではなく、木材に於いても吟味が必要とする素材もあります。
最近新築した2件で室内空気質を検証してみました。
その結果が下の数字です。

  • 標準床材 大井川桧15㎜
    下地 県産材合板28㎜

  • 標準内装壁材 きらら(サンゴ)
    水回り タイル及びクロス

  • 標準内部塗料 オスモオイル
    床 みつろうWAX 

  • 標準調湿天井36㎜杉パネル
    収納壁 大井川杉10㎜

住いの減災害に取り組み自然災害による家族と家資産の安全確保に努めます

過去の災害や、防災に関する知識・教訓等を学び、理解することが重要と考えます。また、様々なネットワークや手段を活用し、減災に関する情報収集と共有を進めていきます。

静岡県GISを使って家づくりとリフォーム提案時にハザードの解説に活かします。

静岡県では被害予測のハザードmapの精度を上げています。
情報を上手に生かすことが災害に強い家をつくります。

静岡県GIS

家づくりの仕事を通し、職人さん、関連事業者とスタッフの働く誇りづくりを進めます

  • 月1回職人さんたちがグループに分れて集まって、情報交換や技術交流や勉強を深めています。現場業務の改善提案を大切にしています。

  • 川崎民家園への職人さん研修旅行。職人さんたちの間で先人たちの伝統技術を見てみたいという要望が高まっています。

スタッフの技術研修、人間教育、価値観共有を進めています。

  • 教育制度として、技術・人間・価値観教育の三つの柱を用意しています。社内研修や外部でのセミナー参加、教育機関の研修を通し個人のスキルや人間力の向上により社会に貢献できる人財育成体制を用意しています。

  • ユニバーサルデザインにより、身体に少しハンディキャップを抱えていても気持ちよく働け、来場もしていただきやすい環境を整えています。

女性の働きやすい環境づくり

  • 「男女共同参画推進事業所宣言」

    育暮家ハイホームスは創業以来ずっと男女構成比がほぼ同数です。人数や顔ぶれは変わりますが、常に男女が共に学び、協力しあいながら男女ならではの特性を生かし、それぞれが助け合い、能力を発揮しています。

災害リスクの予測から、住み続けられる環境と住まいの安全確保を目指します。

日本は4方を海に囲まれた島国です。海の変化が大きな気象変化を起こしています。私たちは海水温上昇リスクに関心を持ち、情報収集に努め対応していきます。

  • 大きな自然災害に子供たちの不安も大きくなります。「想定外」に備えるための情報と技術を減災に活かします。

東海、南海大地震に備える住まいにします。

静岡県は独自の基準で耐震性能を建築基準法の1.2倍を求めています。私たちは阪神淡路、東北、熊本と大きな地震の被災地を見てきました。特に熊本の地震から耐震等級3を基本として家を建てています。

私たちの拠点は実践と検証の場です。育暮家むぱすの実践から成長します。

環境先進拠点そして防災・減災支援拠点として地域へ開いていきます。

●年間16000kwの太陽光発電
●パッシブキャノピー
●空気集熱自然暖房
●太陽熱給湯
●地下水利用
●雨水利用
■ストック活用リフォームモデルハウス

大井川の森の健全化を通し、大井川流域の森里海の連鎖を持続させて行きます

大井川の森里海

南アルプスからの恵みは大井川に沿ってさらにその豊かさを増しながら駿河湾に流れ込みます。
森から里へ、そして海へ。そのつながりが持続することで私たちの産業や暮らしが豊かになります。
大井川の森の木を使って家を建てることは恵みの連鎖に少しでも貢献できることだと思っています。

持続可能な森林経営を家づくりからサポートします

私たちは島田市金谷の落合製材さんと「大井川の木で家をつくる会」を継続しています。
そして月1回の森の課題や魅力を語り、答え探しとして続けているミーティングは足掛け15年、
170回目を迎えています。
植林、伐採体験などを通して山に触れる機会をつくっています。

世界に誇る日本の森の土壌を大切にしたいと思います。

皆伐された山をそのままにしておくと災害を誘発する要因になります。何よりも100年200m年かけて養われた豊かな土壌が流れてしまいます。できれば皆伐に変わる方法で森林資源活用が進んでいくことを願っています。
やむなく皆伐された森は、多様な種類の木を植えたり、自然な姿に戻したりで持続可能な森づくりを応援していきます。

みんなが気楽に親しめる森づくりを目指したいと思います。

日本が生んだ「森林浴」という言葉をもっと身近に定着出来たらいいなあ、と思います。
森づくり先進国ドイツでも「shinrinyoku」とそのまま使われているそうです。

里山暮らし体験・青野さんっち「残そう・学ぼう・試そう」

ここでの体験がどのような子供たちの未来を育むのでしょう。
楽しみです。

築100年の家を移築再生した古民家で里山体験場を提供しています。

・人口減
・多様性
・気候変動
・高度テクノロジーが進む中で
「未来の子供たちに残していく家」の形が見えてきた気がします。

ドイツ南部の小さな町 Waldkirch

80年前、戦争で町や村が焼け落ちたのはドイツも日本も同じです。気候と建物のつくリが違うと言えども日本もドイツも古い家は多く残っています。

そして環境先進国と言われその取り組みは多くの国のモデルになります。最先端技術がすべてを解決するとは言えません。
屋根からは煙が上がっているのが見えます。薪やペレットストーブを使っているのでしょうか。その先には家並みと畑と牧草地と小さな森が見えます。

ドイツの人気の町、フライブルグに近いこの小さな町に住みたい人は多いようです。それは、このロケーションと暮らす人のコミュニケーションの良さ、そして働く環境が整っているからとは容易に想像できます。

右側にリフォームさせていただいた家、左側には新築させていただいた家。お庭が 2 つの暮らしを結んでいます。

この写真は藤枝市でリフォームさせていただいた家のお庭です。

リタイヤされたご夫婦が丁寧に育てている植物たち(微生物も)です。季節のお花が道行く人を楽しませてくれているお庭づくりは
家事やお仕事に忙しかったころから楽しみながら無理しないで育んできたお庭です。
最近、家の周りをコンクリートで埋め尽くすのに反するようにお花が咲き誇る花壇づくりも増えているような気がします。

日本人の持っている自然を愛でるこころは日常の文化になり、人のこころを癒し、また人に伝わっていきます。

これは10歳の女の子の手です。
小さな手もこうしてみるととてもしっかりしていると思いました。
今までと全く異なる時代を生きていく子供たち。

50年前までは家を中心にそれぞれの人生が描かれていました。
家に固執しない?ライフスタイルはこの先どう変わっていくのでしょうか。

そんな時代だからこそ「未来の子供たちに残す家」のありようを住い手さんと一緒に考えつくっていけたらと願っています。